なぜそんな行動?が分かるABC分析

こんにちは、天澤です!

 

 

人には意識と無意識があるとよく言われますよね。
私たちの行動は、全て私たちの性格によるものですよね?

自分の行動を変えたいときは、どのように行動が生起されるかを知っておくと役立つと思います。

 

 

1.ABC分析とは

行動分析学で行動を分析するときに用いられるテクニックです。

行動をすぐ前のキッカケ・行動・結果の3つに注目して分析します。

それぞれキッカケ(Antecedent)・行動(Behavior)・結果(Consequence)

の頭文字をとってABC分析と呼ばれています。

 

例えば、ある女性が

A結婚記念日に

B料理を作ったら

C旦那さんが喜んでくれてうれしかった

とか

ある子どもが授業中に

A隣の子を見て

Bちょっかいを出したら

C先生に怒られてへこんだ

というように考えます。

 

Aのキッカケは、専門用語で先行子と呼び、行動を呼び起こす直接的なキッカケのことです。

また、Cの結果は行動を起こした人が精神的にメリットを感じたかデメリットを感じたかということです。

行動に対して前後の関係を見ることで、その行動が増えたり減ったりする規則性が見えてきます。

 

2.強化の原理

その行動の増える規則性のことを「強化の原理」と言います。

心理学用語で行動が増えることを行動が「強化」されたと言い、

行動が増えるような出来事や物のことを「強化子」と呼びます。

 

さっきの女性が結婚記念日に食事を作った例で言うと、

旦那さんが喜んでくれてうれしかったわけですので

その料理を作るという行動は強化されます。(行動が増える)

そうすると、来年も料理を作ろうと自然と思えるってことですよね。

これ、とってもいいですよね!

3.弱化の原理

さて、弱化の原理はその逆で子どもが先生に怒られた例です。

行動を起こした本人は嫌な気持ちになっているので

その行動は弱化されます。(行動が減る)

または消去されます。(行動がなくなる)

嫌な気持ちになったときにその行動をしたくなくなるのは当たり前ですよね。

 

4.行動随伴性

このように、私たちの行動は今までの生きてきた歴史によって、

行動が強化されたり、弱化され続けてきました。今もその記録の書き込みは続いています。

この行動の歴史が私たちの行動を決めているわけです。

行動を決めている=性格とも言えますので、今までの人生が私たちの性格を作ってきているんですね。

もちろん生まれ持った特性や遺伝のものもあると思います。

しかし、行動のくせや思考のパターンはほとんどがこの強化・弱化の原理によるものです。

 

例えばですが、人前で話すことが好きな人は今まで人前で話すことで何かしらのメリットを感じてその行動が強化されたきたはずです。

反対に、人前で話したときに嫌な思いをしていればその行動は弱化されていたはずです。

 

人前で話すことに抵抗がある人がいくら「人前で話すことは緊張しないよ、大丈夫だよ」

とか言われてもなかなかそれが受け入れられないのは今までの蓄積した経験があるからです。

 

この、今までの行動と結果の履歴によって行動が強化されたり弱化されたりするしくみのことを「行動随伴性」といいます。

5.どうやって活用するか

では、私たちの行動が今までの行動の履歴によって増えたり減ったりしていることは分かりましたが、

どう活用するかです。

 

嫌なことでも、やり続けていけば習慣化されて苦じゃなくなると言われる背景にはこんな原理があったからなんですが、

ブログを書き続けるという作業を例にとってみましょう。自分にとって分かりやすければ例は仕事でもなんでもいいです。

 

ブログを書き続ければ、アクセスが集まって自分のことを知ってもらえたり有名になったり報酬がもらえる、

ということは頭ではわかっていても、

ブログを書くということがまだ未経験の場合は強化されていないのでその行動は習慣化されませんし、過去に挫折したという経験があると、その行動は弱化されているわけです。

それを打ち破るためには、基本的には、地道に行動を強化していくしかありません。

ブログを書いて、コメントがもらえたぞ、とか初めてお金を稼げたぞ、とか強化子がないと本能で行動が増えていかないんですね。

ですので、意識的に強化子を与えてあげる手伝いができるといいんです。

ブログを1本書いたらケーキを食べよう!

とか、自分の好きなものを自分でご褒美をあげて行動を強化していく。

自分ご褒美作戦は心理学的にも裏付けされた作戦だったんですね。

 

まとめ

行動は、過去の履歴により増えたり減ったりしてきた。今も履歴は書き込まれている。

自分で意識的に強化子を与えることで行動を強化・習慣化しやすい。

基本的には、今までの履歴を上回るほどの行動の強化が必要。(数や質)

 

最後に

どうして人には成功体験が必要か理解できましたでしょうか?

成功したと思う(強化)体験がないと生物の本能として行動が定着しないのです。

そして「基本的には」地道な強化が必要と書きましたが、

もしかして、応用的なこともあるんですか?と気づかれた方もいるかもしれません。

 

実は、あります。

それはまた別の記事で書こうと思います。

それと、弱化の原理についても、気をつけないといけないことがありますので

それも併せてお読みください。結論から言うと、弱化はしてはいけません、というお話です。