よくやってしまいがちな弱化の原理。あなたも気をつけて

こんにちは、天澤です!

 

前回記事でABC分析のことについて書きました。

 

amazawa.hatenablog.com

 行動が増えたり減ったりする原理のお話です。

これだけ読むと、

世間的に見て良いとされる行動は強化しよう!

悪いとされる行動は弱化しよう!

 

という風に見えるのですが、実はそれは違っています。

 

 

1.弱化の原理とは(おさらい)

弱化の原理とは、行動をAキッカケB行動C結果の3つに分けて考えたときに、

本人がCの結果でデメリットを感じると、その行動は減る。という原理のことでした。

この行動を3つに分けて分析するテクニックをABC分析と言いました。

2.弱化ばかりしていると

例えば、仕事中に私語をよくしてしまう新入社員のたろうさんがいたとします。

上司であるはなこさんはその「私語」をやめさせたいと思います。

はなこさんは、たろうさんの私語をなくしたいから

弱化をしようと思い、たろうさんにデメリットを感じさせるためたろうさんをしかりつけました。

 

すると、たろうさんはデメリットを感じたため私語がなくなりました。

 

・・・・・・。

 

一見よさそうに見えますよね。

その後を見てみましょう。数日後、また私語をするたろうさんがいました。

はなこさんはデメリットが足りないんだと思い、強い口調でたろうさんを

しかりつけました。

 

するとたろうさんは私語をしなくなりました。

 

 

 

 

 

はなこさんの前では。

はなこさんがいないときは私語をしていたんです。

これって子どもとかでもあるあるですよね。

その人の前でだけ取り繕って、その人がいないときに好き勝手やってしまう。。

大人も一緒なんです。

 

これはどのような原理で起こっているのでしょうか?

ABC分析では、行動を3つに分けて分析するのでした。

今回注目しないといけないのはAキッカケの部分です。

はなこさんがいる前では確かに「私語」という行動は消去されたのです。

はなこさんは私語を消すことに成功しました。

 

しかし、はなこさんがいないという状態ですと私語をしてしまう状況になってしまったんですね。

はなこさんがいる・いないという行動の前のAキッカケやE環境要因の部分で

分岐が起きてしまったのです。

 

3.弱化の危険性

弱化を行うと、必ずデメリットが2つ生まれます。

  1. その人との信頼関係が一定数壊れる
  2. 弱化された人が自信を失う

この2つのデメリットによって、その人の前でだけ取り繕うといったことや、

自分から何もしなくなる人になってしまうということに陥ってしまう可能性があるのです。

4.ではどうすればいいのか

弱化をすると関係性が悪くなる一方、さらに、もっと嫌な状況に陥ってしまう可能性がありました。

ほうっておけばいいのでしょうか?

 

答えはノーです。

 

答えは、強化をしてあげればいいんですね。

「私語」を強化してはもちろんだめですよ笑

 

その私語をしている時間に本当は何をしてほしかったのでしょうか?

「仕事」ですよね。

ですので、「仕事」をしているときを強化してあげればいいんです。

仕事をしているときを強化すると、「仕事」が増えるんでした。

そうすることで、相対的に私語の時間がなくなるんです。

 

 

極端な例を言うと、

「私語」4時間「仕事」4時間で勤務時間8時間を過ごしていたのを

「仕事」を強化することで「仕事」7時間に増やすことができれば

 

「私語」1時間「仕事」7時間で勤務時間8時間となるわけです

実際にはこんな足し引きで変わっていくわけではないですが、

「仕事」に強化子を与えることで

「私語」をするより「仕事」の方がいいやってなるということですね。

 

まとめ

弱化は、信頼関係が一定数減る・自信を失うので行わないほうがいい。

本当はやってほしいことを強化することで相対的に行動を減らすことが望ましい。

 

最後に

ほめてのばすとか、モチベーションマネジメントなどの言葉があるように

人はやっぱり苦痛を与えられるより喜びを得たほうが頑張れるんですね!

それがなぜそうなのかという原理をお話ししました。

言われてみれば当たり前なんです。

ほめられたらうれしいし、怒られたら嫌な気持ちになります。

 

でも、私たちが気づかないといけないのは、

「当たり前だと知っていても、実際にやっていることは違っていることが多々ある」

ということです。

 

この実践がスムーズにいったら、日本の会社がどれだけよくなるだろう。

もっと正しく広まってほしいなと思います。